便秘解消にはビフィズス菌!生きた菌を摂取するための賢い方法とは?

腸内環境の健康に欠かせないビフィズス菌を、みなさん日頃から摂取できていますか?
ビフィズス菌は大腸の腸内環境を維持する上で、大事な役割を果たしています。
特に便秘に悩んでいる方はビフィズス菌を取り入れていくことが便秘解消への近道となります。
この記事ではビフィズス菌の性質や便秘とビフィズス菌の深い関係を紹介するとともに、ビフィズス菌の賢い摂取の仕方についても紹介していきます。

ビフィズス菌はどんな腸内細菌!?

ビフィズス菌が腸内環境に良い働きをしてくれることは何となく知っている人も多いかもしれませんが、実際にどのような形で腸内環境に関わっているのでしょうか?まずはビフィズス菌がどうして便秘解消に大切なのか理解を深めるため、ビフィズス菌がどんな腸内細菌であるかを知っておきましょう。

ビフィズス菌は善玉菌の1つ

ビフィズス菌はヒトの腸に最も多く住みついている善玉菌です。ヒトの腸内には10兆個近いビフィズス菌が住んでいて、他の善玉菌である乳酸菌と比べても格段に多いのです。というのも腸内はビフィズス菌にとって格好の住処であるため、居心地が良いという訳なのです。

しかもビフィズス菌は1種類ではありません。現在、解明されているビフィズス菌だけでも50種類以上は存在しており、今後さらに分類される可能性もあります。また、ヒトと動物でも住んでいるビフィズス菌の種類が異なっており、摂取するときにはどんなビフィズス菌でも良いわけではないのです。

簡単にビフィズス菌は減ってしまう!?

ビフィズス菌などの善玉菌はちょっとしたことが原因で体の中で減少してしまいます。例えば、ストレスもその1例です。ストレスは胃腸に影響を与えることはよく知られていますが、腸の中のビフィズス菌にも影響してきます。

精神的・肉体的ストレスを受けると腸内のビフィズス菌は減少して、逆に悪玉菌が増加します。悪玉菌は有害ガスを発生して腸の働きを低下させ、結果として腸内環境が悪化しまうのです。

そして、普段の食生活も影響します。野菜不足になり食物繊維の摂取が減ると、ビフィズス菌などの善玉菌は減少します。それは、ビフィズス菌は食物繊維などをエサとして成長していくので、食事がなくなればそれは減少してしまうからです。同様に野菜やフルーツに含まれているオリゴ糖などの摂取が減っても、ビフィズス菌は減少する傾向にあります。

野菜や穀類中心の食生活から脂肪・タンパク質を過剰に摂取する食生活に偏ると、ビフィズス菌は減ってしまいがちです。毎日、外食つづきで肉類や揚げ物、ジャンクフードのようなものばかり食べていると、腸内環境は乱れてしまうので気をつけましょう。

運動不足や年齢も重要な要因!

便秘の原因はさまざまに考えられますが、腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下することで便秘になることも多いです。特に女性の場合は、腸の動きが悪い「弛緩性便秘」になりやすい傾向があります。蠕動運動が低下して便秘になると悪玉菌が繁殖しやすい環境になり、ビフィズス菌は減少してしまいます。

蠕動運動の低下に大きく関わっているのが筋肉量です。つまり、運動不足によって腹筋の力が弱まることで引き起こされることが多いです。また、女性の場合はもともと筋肉が付きにくく、腹筋が弱い傾向にあるため注意しなければいけません。

筋力の低下を防ぐには日頃から運動をしておくことが大事です。運動不足を解消して、腹筋の力がつけば、蠕動運動で排便を後押しできる体質を作ることができます。

また、ビフィズス菌は年齢の増加によっても減少してしまいます。お年寄りに便秘がちな人が多いのはその影響が大きいのです。ビフィズス菌は生まれた時がもっとも多く、成人した時には1/10くらいにまで減ってしまい、さらに高齢者になると1/10程度になります。つまり、加齢と共に高齢者になれば赤ちゃんと比べると1/100くらいにまで減ってしまいます。

便秘解消にはビフィズス菌!どんな効果が期待できるの?

ビフィズス菌には便通を促す効果があります。なんとなく便秘に良さそうというイメージからヨーグルトなどからビフィズス菌を摂取しているという方は多いのではないでしょうか。でも、どうしてビフィズス菌が便秘解消に効果があるのでしょう。次に、ビフィズス菌がどのように便秘解消に導いてくれるのかを紹介します。

ビフィズス菌は腸内を酸性に!

ビフィズス菌は、腸内で糖と分解して乳酸や酢酸を生成します。酸により腸内環境を酸性に保ってくれます。乳酸菌は乳酸しか生成できませんが、ビフィズス菌はより酸性度の高い酢酸を生成できることが特徴です。そのため、便秘解消には乳酸菌よりもむしろビフィズス菌の方が大切になります。

腸内が酸性に保たれるとビフィズス菌などの敵である悪玉菌が増殖することができなくなります。その結果、ビフィズス菌などの善玉菌が増えて、理想的な腸内環境になります。また、ビフィズス菌がつくってくれる酢酸は強い殺菌力があるので、悪玉菌を抑制してもくれます。

便に水分を与える力もある!

もともと便はほとんどが水分でできています。水分量は便の状態によって以下のように分かれています。

<便の水分量>
・通常の便・・・80%
・下痢の便・・・90%以上
・便秘の便・・・60〜70%以下

便が長期間腸内に滞在することでどんどん水分が吸収されて便秘になるとカチカチの便になってしまいます。そうなるとどんどん排便しにくい状態になり、便があることで悪玉菌も増加してしまう最悪な環境になるのでますます悪循環です。

実は、ビフィズス菌は便に適度な水分を供給する力もあるので排便をスムーズにしてくれます。腸内に豊富なビフィズス菌がいれば、便に水分を与えて排便しやすい硬さに近づけてくれます。

ビフィズス菌の賢い摂取方法は!?

ビフィズス菌が腸にとって大事なことが分かっていただけたかと思います。では、実際にどうやってビフィズス菌を摂取すれば良いのでしょうか?ここからはビフィズス菌を効率的に摂取する方法を紹介していきます。

ビフィズス菌を摂取するのはヨーグルト?それともサプリメント?

ビフィズス菌を摂取すると考えると、真っ先に思いつくのがヨーグルトだと思います。ただし、このヨーグルトでは一度に摂取できるビフィズス菌の量に限界があります。腸内環境を整えるために摂取したいビフィズス菌の量は諸説ありますが、だいたい1日あたり100gのヨーグルトで賄えると言われています。しかし、「毎日食べるのは飽きてしまう」「体が冷えてしまう」「ヨーグルトが胃腸に重たい」などと感じる人もいるかもしれません。

そこで最近、流行っているのがビフィズス菌サプリメントです。サプリメントだと一度に摂取できるビフィズス菌の量が、だいたいヨーグルトの10倍くらいになります。10倍ものヨーグルトを食べることは不可能だと思いますので、サプリメントの方が効率的と言えるでしょう。

しかもサプリメントの場合にはいろいろなビフィズス菌を同時に配合していることもメリットです。多い場合には10種類以上の乳酸菌やビフィズス菌が配合されているものもあります。腸内細菌のバランスを整えるには1種類だけの菌を摂るよりも、バリエーション豊かに摂取した方が腸内環境も豊かになります。

また、ビフィズス菌や乳酸菌は摂取しても、腸に定着しにくく数日間ですべて排出されてしまいます。そのため、毎日しっかりとサプリメントやヨーグルトなどから摂取する必要があるのです。それを考えると、ヨーグルトを食べ続けるよりも、飲むだけで良いサプリメントの方が負担が少ないでしょう。

生きているビフィズス菌がベスト!?

最近のビフィズス菌の研究はだいぶ進んでいて、生きたまま腸に届くかどうかに着目した商品も登場しています。実は、口から取り入れたビフィズス菌は必ずしも大腸まで生きたまま届くとは限らないのです。ビフィズス菌や乳酸菌は胃酸により死滅してしまい、腸に届いたときにはほとんどが死骸になっています。

そこで最近のサプリメントやヨーグルトの中には、ビフィズス菌の中でも胃酸などに強い菌を育てることに成功しており、それらの強い菌が配合されている場合があります。

しっかりとビフィズス菌の力を期待したいのであれば「生きたまま腸に」や「生きているビフィズス菌」などのフレーズが書いてあるサプリメントやヨーグルトを選びましょう。

しかしながら、死んでしまったビフィズス菌はまったく無意味ではありません。
たとえ胃酸などで死んでしまったビフィズス菌も実は、腸内細菌によって分解されることで、他の善玉菌のエサになることができるのです。ビフィズス菌以外の善玉菌も腸内環境を改善するには大事な存在なので、大腸まで生きたまま届かなくてもまったくの無意味ではないということです。ビフィズス菌は生きた菌も死んだ菌も私たちの腸にとって大切な働きを持っているので、積極的に取り入れていきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ビフィズス菌は便秘解消において大きな意味があることが理解できたのはないでしょうか。便秘解消のためにお薬を使うのも良いですが、便秘を根本的に解消したいならばビフィズス菌を活用していくことも大切です。年齢や食生活の変化によって減ってしまいがちなビフィズス菌。ぜひ、ヨーグルトやビフィズス菌サプリメントなどを摂取して、効率的に腸内環境を改善していきましょう。

– – – – – – 監修医師 相澤宏樹

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