長く続くつらいアトピー性皮膚炎の原因と改善方法。腸内フローラを整えて根本的に解決してみませんか

子どもから大人までアトピー性皮膚炎に悩む方は現在増えてきています。さらに子供が将来アトピー性皮膚炎にならないか不安な親御さんもいらっしゃるでしょう。
今回の記事では、アトピー性皮膚炎の原因と改善方法を薬物療法、スキンケア、悪化因子を生活上で改善するための方法を解説します。
さらに記事の後半に、新しい治療視点として腸内フローラを用いて、根本からアトピー性皮膚炎を改善する方法をお伝えしたいと思います。

【アトピー性皮膚炎とは】

定義


アトピー性皮膚炎は,悪くなったり良くなったりを繰り返すかゆみを持った湿疹を主症状とした病気です。

アトピー性皮膚炎を起こしやすいタイプの人がいる


①家系内にアトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎の人がいる。
②アレルギーを起こすIgEという抗体を作りやすい要因を持っている
③皮膚が乾燥しやすい、もしくはしている

□診断基準


①非常に痒い湿疹
②特徴的な部位
③繰り返し出現することを基準とします。
しかし、皮膚病の中には①~③と同じ症状を持つ疾患もあるため、鑑別診断が必要になります。鑑別診断とは、似たような皮膚病から患者さんに当てはまらない病気を除外することです。すぐにアトピー性皮膚炎と診断されるわけではなく、数ある類似疾患の症状を照らし合わせて類似疾患を除外した後に診断されるわけです。

以下にアトピー性皮膚炎と類似する皮膚病の一部を記載します。


・接触皮膚炎(かぶれ)
・自家感作性皮膚炎
・伝染性膿痂疹(とびひ)
・皮膚カンジダ症
・薬疹
・免疫不全症候群(ウィスコット・アルドリッチ症候群)
・代謝異常症(ハンター病、フェニルケトン尿症)
・脂漏性皮膚炎
・皮脂欠乏性皮膚炎
・白癬(水虫)
・疥癬
・乾癬
・悪性リンパ腫

【アトピー性皮膚炎が起こる3つの原因とは?】

皮膚のバリア機能の低下

□皮膚と角質層とは?


皮膚は体を包み、外界のアレルゲンを体内に入れないように働くことで体を守ってくれている組織です。皮膚は何層にもなっており上から角質層、顆粒層、有棘層となっています。
角質層は、角質細胞や角質細胞間脂質膜で構成されています。角質細胞からアミノ酸が天然保湿因子として作用します。

□皮膚のバリア機能とは?


皮膚バリアとは、外界からの刺激物に対して体を守る作用のことです。これは角質層と顆粒層の両方で行っています。皮膚バリア機能は炎症を含めた様々な外部環境因子により障害されます。逆に皮膚バリア機能の異常は、免疫・アレルギー学的側面に影響を及ぼします。

□皮膚バリア機能の低下の原因


①アレルゲンによる免疫反応
②保湿ができていない
③痒みにより皮膚を直接掻くことで直接的に皮膚を傷つける

①皮膚バリアが破壊された皮膚は、外界からの刺激物やアレルゲンの侵入を許してしまい、そこに炎症反応を起こします。皮膚の炎症により皮膚バリアは破壊されます。
すると皮膚から体内に入ったアレルゲン(食物アレルゲンや、ダニなどの環境アレルゲン)はTh2型の免疫応答を誘導します。Th2型免疫反応はIgEの誘導を行います。Th2優位の環境では、表皮からも産生されるTh2型ケモカインであるTARCも産生されるため、皮膚を刺激します。すると徐々にアレルゲンに対する免疫反応が起こりやすくなります。慢性的なアトピー性皮膚炎患者はIgE抗体を多く持つことが分かっています。
②皮膚の乾燥により皮膚表面の組織に傷がついてしまい、アレルギー反応を誘発してしまいます。
③アトピー性皮膚炎では、皮膚表面まで痒みを誘発する神経が伸びることで痒みを感じやすくなっています。そのため掻きたくなってしまいます。しかしそこで皮膚を掻いてしまうと皮膚に傷がついてしまい、アレルギー反応を誘発する悪循環に陥ります。

□皮膚バリアを維持するためにどうすればいいのか。


食事はもちろんですが、患部を清潔に保つこと(スキンケア)と保湿することがより重要です。それがアトピー性皮膚炎を悪化させないためのポイントになります。
さらに角質層のバリアを壊さないことで、保湿物質を減少させないことが大切です。
保湿物質とは、皮膚表面を潤す汗と皮脂、表皮細胞から作られる脂質のセラミド、たんぱく質であるフィラグリンです。アトピー性皮膚炎を持つ患者さんは、セラミドとフィラグリンが減少していることが統計上分かっています。

【免疫調整機能の異常】

□免疫調整機能とは


免疫調整機能の異常とは、アレルギー反応のことです。アレルギー反応とは、病気の元となる微生物などの異物を無害化する免疫機能のことです。
その機能を持つものにIgE抗体があります。IgE抗体は、アレルギーの原因となるアレルゲンに反応して、様々な不快症状を引き起こします。アレルゲンに反応する内に、閾値が下がります。閾値が下がると少ないアレルゲンでアレルギー反応が出るようになってしまいます。

□アトピー性皮膚炎に当てはまるアレルギー反応とは


アトピー性皮膚炎は、食物由来のアレルゲンや日常生活環境の中に生きているアレルゲン(環境アレルゲン)がアレルギー反応を起こして皮膚症状を作り上げていると考えられています。中でも生後間もない乳幼児は、食物アレルギーに始まり、子どもの成長と共に環境アレルゲンの中でもハウスダストアレルゲン(事実上はダニアレルゲン)が問題となります。
皮膚症状が持続すると、ダニアレルゲンに対するIgE抗体が血液中に増加してきます。すると環境アレルゲンに反応しやすい体になり、アトピー性皮膚炎が悪化します。

・遺伝的要因


強いアトピー素因と、遺伝的バリア機能異常が考えられます。
□アトピー素因
食べ物やダニ、ホコリ、真菌(カビ)、ペットのフケなどのアレルゲンに対するIgEを介するアレルギーを生じやすい方がいます。これらのアレルギーは、喘息や花粉症など他のアレルギー疾患の発症にもつながると言われています。
このことからアレルギーを生じやすい体質ということで、アトピー素因と言われます。

□遺伝的バリア機能異常


皮膚バリア機能の異常をきたす遺伝を持っていることです。上述した皮膚バリアの項目で書いていますが、皮膚にはセラミドとフィラグリンという保湿成分がありますが、それが生まれつき減少している子供がいます。そんな時は両親が強いアトピー因子を持っていることが多いと言われています。

【アトピー性皮膚炎の悪化につながる要因】

□ストレス


・アトピー性皮膚炎は寛解と再燃を繰り返す慢性疾患のため、患者と両親どちらもいつまで病気が続くのだろうという不安感を感じやすくストレスを受けやすいです。
・症状が強い場合には、顔面に出てしまい思春期の子供には強いストレスになっていまします。
・意外にもよくみられるのが、医師の指示に従っても思わしくない結果が得られないことです。そうすると患者さんはストレスを感じてしまい、アトピー性皮膚炎が生じている部位を掻破してしまい、症状が悪化してしまいます。するとストレスが増すという悪循環を引き起こします。
・主に対人関係におけるストレスで重症化しやすいことも特徴的です

□偏った食生活


・これは乳幼児期に多いことですが食物アレルギーを気にして、両親が食品を制限することで起こってしまいます。
・栄養不足により腸内細菌がうまく作成できず、アレルギーを発症しやすい体に変化してしまいます。
・食事以外の要因により食物アレルギーになっているケースもあるため注意が必要です。

□ダニ・ハウスダスト


・環境アレルゲンとして注意が必要です。
・皮膚に傷ができてしまっている、または腸内細菌が産生できていない小さい子供の場合は、アレルゲンによる免疫反応が起こりやすいです。免疫反応が起こることで慢性的な炎症が起こり、アトピー性皮膚炎を発症するリスクが高くなります。

□化学薬品


・化粧品や手洗いの時に使う洗浄剤によりアトピー性皮膚炎を増悪させるリスクがあるので注意が必要です。
・角質層バリアを守るために、洗浄力が増せば角層への影響が大きくなり、角層バリア機能を低下させることです。
・角質層バリアが壊されると、深層にある表皮組織を破壊してしまい刺激性皮膚炎をおこしてしまいます。
・対策として、洗浄剤を使用するときにはなるべく濃度を上げないようにすることです。そこで洗浄剤の量を少なく、水を多く含んで泡立てて使うことが大事です。
・注意しても刺激を感じる時には、洗浄後に保湿剤を使用することで突っ張り感や乾燥を防ぎましょう。

□汗


・汗をかくとそこに皮膚の常在微生物が増殖します。すると菌は汗管から周囲の組織に浸透し、それを取り囲む細胞を傷つけ、炎症を起こしてしまいます。
・炎症を起こして汗管が破壊されると、汗の成分により皮膚炎が起こります。
・対策として、汗をかいたらすぐに入浴やシャワーはもちろん、石鹸で清潔にすることが大事です。汗をかいたままで体や服を放置しておくと、皮膚バリアが破壊されてしまいアトピー性皮膚炎を誘発してしまいます。

□乾燥


・乾燥が起こっている時点で皮膚バリアは壊れています。
・乾燥を放置しておくと、表面の角質層だけではなく、その下にある顆粒層まで影響します。どちらも外界からのアレルゲンに対してバリアの働きをしているためアレルゲンに体が反応しやすくなります。慢性的にアレルゲンによる刺激を受けることで、炎症が起こり、アトピー性皮膚炎が増悪してしまいます。

□皮膚への物理的な刺激


・目をこすったり、強く体をこすったりすることで皮膚が傷ついてしまいます。
・皮膚が傷つくことでそこは炎症が起こります。するとアレルゲンにも反応しやすくなるためアトピー性皮膚炎が増悪します。

【子供がアトピー性皮膚炎になったとき、親としてどう対応すべきか】

□お子さんが乳児期の場合


・発症のピーク時にはステロイド外用薬を使用します。ステロイド外用薬は強さがありますが、顔にⅣ群、体幹や四肢はⅢ群を使用すると症状が寛解しやすいです。
・タクロリムス軟膏を使用する場合には1g未満が良いと思われます。(2~5歳から1g使用します)
・乳幼児期に重症の皮膚炎を持っている場合は、食物アレルギーを併発しやすいといわれています。
※皮膚バリアの破綻が原因で免疫低下してしまい食物アレルギーをおこしています。
・子供への対応としては、スキンケアと外用薬ステロイドにて炎症をコントロールすることで、食物アレルギーの発症・重症化を予防することが重要です。
・発汗は生後2か月より徐々に増加しますが、乳児期には乾燥肌のため保湿は心掛けてあげましょう。また物に触れ、除菌シートをつかうことでさらに乾燥しやすいため注意が必要です。
・入浴の時は、脱脂力が弱い石鹸を使用し、泡で包むように洗ってあげることで皮膚を守ってあげましょう。また入浴後は必ず保湿剤や外用薬を使用するようにしてください。

発汗が生後2か月より徐々に増加して12歳でピークとなります。そこから徐々に発汗量は効率化され14~16歳で成人と同程度になります。
つまり汗が少なくて乾燥しやすいため、保湿しないと皮膚バリアが破綻しやすくなっています。成人も同様で乾燥しやすくなるということです。

□お子さんが幼小児期の場合


・アトピー性皮膚炎を疑う場合には、すぐに病院へ行きましょう。適切なタイミングで治療を受けることで増悪を防げます。
・年長の幼児からは、ステロイド外用薬のⅡ群を使用しないと重症化している部位の寛解が難しい場合があります。
・顔面や口周りの湿疹は、よごれや食べこぼしを通じて口周りの皮膚から食物アレルゲンが侵入するため、皮膚のケアが大事です。
・乳幼児期発症の食物アレルギーの多くは、加齢に伴って耐性を獲得していきます。途中でアトピー性皮膚炎を合併することで食物アレルギーの耐性を獲得する時期が遅れてしまいます。
・発汗量はまだ少ないため、乾燥肌に対してスキンケアしてあげる必要があります。
・角質層の水分や皮脂が、遊んで道具に触れる、外で風に吹かれると減ってしまい乾燥するためこまめな保湿が必要です。
・手洗いや入浴には、脱脂力の弱い石鹸を使用してください。また手洗いと入浴後にはしっかり保湿してください。

□お子さんが思春期・成人の場合


・アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症し、学童期までに治癒することが多いです。しかし思春期に再燃する場合が多いです。それには主に心理社会的要因の中でも特にストレスの関与が大きいとされています。
・成長とともにほとんどの場合は適切な治療で軽快します。
※放置して自然寛解することはほとんどなく、自然寛解するレベルまで発症早期から治療することが大事です。
・発汗が12歳でピークになります。また14-16歳で成人と同程度になります。成人と同程度になることは、汗の量を調整できるようになっているだけで増えているわけではありません。つまり14-16歳以降は、発汗量が効率性重視になることで乾燥しやすくなりますので保湿してあげる必要があります。
・治療においてアドヒアランスが重要です。つまり良好なセルフコントロールが思春期の再燃のリスク軽減には重要です。
※アドヒアランスは患者が主体となって「自分自身の医療に自分で責任を負って治療法を守る」というものです。
・思春期では子どもよりも親が、子どものことを心配するため、治療主体が親になってしまいます。すると慢性的なアトピー性皮膚炎が良くならないことに対して子どもだけでなく両親がストレスを感じてしまい、子どもにストレスを与えてしまいます。するとアトピー性皮膚炎の改善が難しくなってしまうため注意が必要です。
・この時期特有の悪化因子としては、受験勉強や人間関係の変化など、ストレスが多い18歳前後に再燃しやすいです。
・ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の重症度に対して、Ⅰ群~Ⅳ群までを使い分ける必要があります。
・成人では職業要因が強くなり、紙や洗剤に頻繁に触れる機会が多いと、手は乾燥してしまいます。

Woman scratching her neck, isolated on white

□出産前後に乳酸菌摂取で子供のアトピー予防


・出産前より母親の影響を子どもは受けます。特に母親の腸内細菌の影響を強く受けるのは出産で産道を通る時と母乳をもらう時です。産道を通る時に膣から腸内細菌をもらうことで、生まれてくる子供は良好な腸内細菌が生まれます。そのため母親は妊娠している時から腸内細菌を整えることが大事になります。
・出産直後は母乳を与えるため母乳から腸内細菌を子どもが受け取るため、母親は出産前~出産後も食事には注意が必要です。また母親がアトピー性アレルゲンを発症する食品を多く食べると子供に影響が出やすいです。

【大人になってから発症したアトピー性皮膚炎】

□大人になってから発症する人も多くいる


・思春期以降に再燃する人が多く、人間関係が原因で増悪する人が多い。
・成人になるとストレスに加えて、仕事を始めたことで生活リズムが崩れることが多いためそれも原因になります。
・発症しても、病院を受診しステロイド外用薬を処方してもらい適切に対処すれば改善します。

【アトピー性皮膚炎を根本から改善する鍵は腸内フローラにあり】

■アトピー性皮膚炎の改善の方法は3つ


①アレルゲンとの接触をなくす
・アレルギーによる炎症反応により、アトピー性皮膚炎が悪化しやすいです。そのため出来る限り接触をなくすことでアトピー性皮膚炎の寛解を図る必要があります。
②皮膚バリア機能を高める
・アレルゲンを完全に取り除くことは生活していて不可能です。
・皮膚バリア機能を高めることで、外界にあるアレルゲンの侵入を予防して、症状が緩和します。
③免疫機能を適正化する
・ここが今回の根本から改善するためのポイントになる腸内フローラです。
・先に書いた2つの理由に加えて、腸内フローラと言われる腸内細菌のバランスを整えることで免疫機能を適正化することが大切です。
・腸内環境を整えることは、体質改善につながり、重症化してしまったアトピー性皮膚炎を寛解に導きます。

■アトピー性皮膚炎の改善の方法は3つ


①アレルゲンとの接触をなくす
・アレルギーによる炎症反応により、アトピー性皮膚炎が悪化しやすいです。そのため出来る限り接触をなくすことでアトピー性皮膚炎の寛解を図る必要があります。
②皮膚バリア機能を高める
・アレルゲンを完全に取り除くことは生活していて不可能です。
・皮膚バリア機能を高めることで、外界にあるアレルゲンの侵入を予防して、症状が緩和します。
③免疫機能を適正化する
・ここが今回の根本から改善するためのポイントになる腸内フローラです。
・先に書いた2つの理由に加えて、腸内フローラと言われる腸内細菌のバランスを整えることで免疫機能を適正化することが大切です。
・腸内環境を整えることは、体質改善につながり、重症化してしまったアトピー性皮膚炎を寛解に導きます。

では、腸内フローラで免疫機能を適正化することとは、どういったメカニズムなのか解説します。またその具体的な方法もお伝えします。

腸内フローラを整えて免疫機能を適正化


腸内フローラとは、腸内の善玉菌、悪玉菌、日和見菌を合わせた総称です。腸内細菌はシェアハウスのようにお互いに共生しながらバランスを取って生きているのです。腸内細菌の理想的な割合は善玉菌2割・悪玉菌1割・日和見菌7割といわれています。そのバランスが崩れてしまい悪玉菌の割合が増えることで、免疫機能の低下により便秘、花粉症、アトピー性皮膚炎などの症状がでてしまいます。そのため腸内細菌を整える必要があり、そのための方法として善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)を摂取する方法があります。

乳酸菌を摂取して腸内フローラを整える


善玉菌である乳酸菌とビフィズス菌は生まれてから死ぬまで同じ種類が数種類共生しています。また基本的に途中で他の菌種が腸内細菌に加わることは出来ません。しかし乳酸菌生産物質はその中に加わることが出来ます。よって、乳酸菌は善玉菌のバランスを取るために有効な手段なのです。テレビでもよく乳酸菌が体に良いと言われている理由はここにあります。つまり食事をすることで腸内細菌のバランスを整えることができます。
腸内細菌を整えることで、花粉症や便秘改善にも効果があることも分かっています。

乳酸菌がもたらす、他の効果とは


腸内細菌が少なくなることで、リーキーガット症候群を起こしやすくなるとも言われています。
リーキーガット症候群とは、腸管の壁にあたかも穴が開いたかのように、消化が不十分なままで食べ物や毒素が腸管の外、体内に漏れ出してしまう症状です。
これにより本来は毒素を多く含むものは、すぐ便として排泄するはずなのですが、それができずに便秘になります。また毒素が体の中に残り続けると免疫力が低下してしまい、花粉症などのアレルギーを発症しやすい体になってしまいます。そのため乳酸菌を正しくとることで腸内環境を整えておくことで便秘・花粉症などの改善に効果がみこめます。

【その他のアトピー改善方法を解説】

□スキンケア


・アトピー性皮膚炎を起こしている皮膚は。①水分保持能の低下、②痒み閾値の低下、③易感染性の機能異常に加えて、バリア機能低下をきたしています。これらの異常を補正することがスキンケアの役割です。
・スキンケアの方法は皮膚の清潔と保湿(保湿外用剤の使用)です。
・アトピー性皮膚炎を予防するためには、乳幼児期を含めて、早期からバリア機能を十分に保つことが非常に重要です。
・保湿によりある程度低下した角層バリアは正常レベルまで改善することが分かっています。また皮膚のひび割れが起こっている皮膚の角質層は壊れています。角層の最深部の極薄の膜がなんとか外界からの外敵や障害性物質の体内への侵入を防いでくれます。
・人間は傷があると炎症反応を起こします。それは炎症反応を起こすことでそこに水分を発生させて傷を治そうとします。しかし炎症反応が起こった皮膚は、瘢痕化します。瘢痕化した皮膚は水分が失われているため、炎症が再燃しやすいため注意が必要です。
・環境からの皮膚障害として、紫外線を考慮しなければいけません。紫外線は日焼け止めクリームを塗ることで皮膚の保湿を保ち、角層バリアを正常に保つことが出来ます。また幼児期から日焼け止めを塗ることでアトピー性皮膚炎を予防しましょう。
・思春期以降に女性は、化粧や香水をつけ始めると思います。化粧をすることで皮膚は乾燥してしまうため、化粧水をしっかりつけて保湿してください。また香水に含まれる香料は皮膚に浸透しダメージを与えることがあります。もちろん安全検査を行っているため全員ではないですが、過敏な方は香水を使用することでアトピー性皮膚炎が悪化するリスクがあることも念頭に置く必要があります。
・化粧品の保湿クリームは、医師が処方するものよりも効果的なものが多いです。
・化粧品の成分の中で生体角質の中の保湿成分として存在する天然保湿因子(NMF)の低分子構成成分であるアミノ酸や尿素、乳酸塩などがあるものを選んでください。特にこの内尿素を含む保湿クリームの効果は抜群です。
・尿素自体の効果は硬い角質を柔らかく溶解させる働きや、毛羽立った皮膚を滑らかにすることです。さらに重要なことはその保湿効果の高さです。実験によると、低下した角質バリア機能と、皮膚の保湿能力の向上が医薬品よりも高いことが分かっています。さらに角層細胞による軽度炎症性変化が起きていた部位の回復も見られています。

□薬物治療


・発症・悪化因子の対策やスキンケアをしてもアトピー性皮膚炎が改善しない場合には、薬物療法が必要です。
・アトピー性皮膚炎の炎症には、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏を使用します。これは寛解導入療法と言われるものです。
・痒みに対しては、必要に応じて補助的に抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を併用します。
・寛解導入が出来たが症状が維持できない、あるいは頻回に再燃を繰り返す場合には寛解維持療法に移行する必要があります。

※薬物について


・ステロイド外用薬
治療初期に短い期間強いランクのステロイド外用薬を使用し、徐々に外用薬の強さや使用頻度を減らすことで皮膚萎縮のリスクを減らすことが出来ます。
・タクロリムス軟膏薬
免疫抑制させて炎症を鎮静させる作用を持っています
→さらに特徴として
①皮膚萎縮を起こさない
②外用開始初期には、ほてり間やヒリヒリ感、痛みや痒みなどの症状が出る。
③外用量の制限を守る必要がある

□悪化因子の排除


・原因・悪化の因子の重要度は発症時期や個人差があるため、それらを十分に確認し、無理のない適切な対策を取ることが重要です。
・悪化因子には、食べ物、発汗、物理的刺激、環境因子、細菌・真菌、接触抗原、精神的ストレスなどがあります。
・乳幼児期では食べ物がアトピー性皮膚炎の原因・悪化の1つになります。治療の除去食物療法は必要最小限に留めます。ダニやハウスダスト、花粉などのアレルゲンに対しては環境整備を行い、曝露を軽減させます。
・思春期・成人期に精神的ストレスが原因となっている場合には、心理医学療法を用いて適切に対処することで、痒みの増強と搔破行動の誘発を抑制します。

【まとめ】


・アトピー性皮膚炎は寛解と増悪を繰り返す疾患であるということ。
・乳幼児期から学童期に改善するが、思春期以降に再燃しやすい。
・アトピー性皮膚炎を疑う時には早期改善のためにすぐに病院に行って適切な治療を受けることが大事。
・アトピー性皮膚炎改善のために、スキンケア・薬物治療・悪化因子の排除が大事である。
・アトピー性皮膚炎の原因は免疫機構の破綻によるアレルギー反応である。
・免疫機構には腸内環境が関わっており、腸内フローラのバランスが重要。
・腸内フローラの中でも善玉菌である乳酸菌は唯一食べて、腸内細菌を整えることができるためヨーグルトなどの発酵食品を積極的に取りましょう。
・腸内細菌を整えて、免疫機構を改善させてアトピー性皮膚炎を根本から解決しましょう。

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