便秘でお困りのあなた、腸内フローラを知っていますか

少子高齢化や働き方改革に伴い女性が職場で活躍する機会が増えています。
ストレスの多い環境で、特に女性に多い便秘でお困りの人が増えています。
女性の約半数、20代から30代の70%の人が便秘だといわれています。

女性特有のデリケートなお悩みですよね。でもほっておくともっと深刻なことになりかねません。(女性の死因第一位は大腸がんです。)

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そこで、この記事では
・便秘のこと
・便秘になるとどうなるか
・便秘になる原因
・腸内環境のバランスとしての整腸
・整腸に密接にかかわっている腸内フローラ
・便秘解消法 

についてお伝えします。

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このデリケートな悩みを解消する鍵が腸内フローラによる整腸作用です。

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便秘の悩みの多くは整腸作用で解消する可能性があります。私はこの問題で多くのお客様から直接相談を受けています。圧倒的に女性や高齢者の人に多い悩みですが、実際の声をお届けしながら悩み解消に参考になれば幸いです。

便秘について

便秘とは、一言でいうとお通じに水分が少ない状態のことです。
便秘の話の前に、腸の働きについて簡単に解説しましょう。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

腸は小腸大腸に大きく分けられます。小腸は食べ物を吸収・消化する役目をします。また小腸は食べ物を大腸へ送る運動もします。(ぜん動運動)大腸は水分を吸収し排泄する役割があります。

朝、新しい食べ物が胃に入ってくると便意を感じる仕組みがもともと人の体には備わっていると言われています。ですから朝食を摂らない人は便意が起こりにくいということになります。

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便秘と医学的に問題にする目安は3日以上お通じがない場合を指します。

腸内環境のバランスが崩れ悪玉菌が相対的に多い状態になると、便秘だけではなく、便秘と下痢を繰り返すことにもなります。

便秘の症状と種類について解説しましょう。

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❶最も女性に多い習慣性便秘

トイレで便意を感じないことが多いタイプです。排便後に違和感が残ることもあります。

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❷高齢者に多い腹筋不足便秘(弛緩性便秘)

大腸のぜん動が弱くなり便意を感じにくい事と相まってお腹が張ってくる事もあります。

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❸ストレス性便秘

激しい便意や腹痛を伴い、コロコロ便で便秘と下痢を繰り返すこともあります。

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❹少食性便秘

便意を感じず硬い細い便が見られるタイプで、拒食などの摂食障害との関連もあり得ます。

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便秘になるとどうなるか

便秘により自律神経が乱れ血行が悪くなり様々な症状が出てきます。

また相対的に悪玉菌が増えて腸内環境のバランスが崩れます。

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まず残便感や腹部の膨満感、腹痛が起こりますし、痔の原因にもなり得ます。

また食欲不振口臭などの症状や、肌荒れ吹き出物ニキビの症状や肩こり腰痛頭痛イライラなど精神的な症状の原因にもなります。

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さらに放置してしまうと悪玉菌が関連しているとされる発がん性物質により大腸がんになるリスクも理論上高くなります。現在、大腸がんは日本における最多のがんです。

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便秘になる原因は

一番多い原因は、朝の通勤時の忙しさで便意を我慢してしまうことです。

朝食を抜いてしまう。これも便意が起こりにくくなる原因です。

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また女性に便秘が多い理由に女性ホルモンが関係しています。女性ホルモンの一種である黄体ホルモンが腸の運動を弱くする働きがあることや、体に水分を蓄積させようとする動きで大腸からの過剰水分吸収が原因になると言われています。

腹筋が弱いことやダイエットなども女性に便秘が多い要因になっています。

さらに女性特有の腸の構造も関係しています。腸の長さに男女差はないのですが、体格が小さい女性はおなかの中のスペースに男性と同じ長さの腸を収めるために曲がりがきつい部位があるためです。

その他の原因としては、水分や食物繊維の摂取不足が挙げられます。また腸内環境のバランスが壊れ腸の水分吸収が多い場合も便秘になると考えられています。

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便秘の種類と主な原因について解説しましょう。

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❶最も女性に多い習慣性便秘

忙しい働く女性に多い症状です。朝ご飯を食べない。朝の忙しさで我慢してしまうことが主な原因です。また薬がないと排便できない習慣も原因になります。

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❷高齢者に多い腹筋不足便秘

大腸の筋力低下により腸の運動が弱くなった結果、食べ物の通過が遅くなり過剰な水分吸収で便が固くなることが原因です。運動不足も原因につながります。

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❸ストレス性便秘

ストレスにより大腸が緊張状態となり、腸の運動が弱くなったことで水分吸収が多くなってしまうことが原因です。ストレスがなくても腸の緊張状態が続けば同様なことが起こります。

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❹少食性便秘

食事の量が少ないために便意が起こりにくくなることが原因になります。朝食をとらない。食物繊維不足。不規則な生活。ダイエットなどが主な原因になります。

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腸内環境のバランス、それが整腸です

腸内には腸内フローラと言われる腸内細菌の一群が存在します。びっしりと腸内に増えた腸内細菌を顕微鏡でみるとお花畑のようにみえることから腸内フローラと名づけられました。

腸内フローラにはいい影響を与える善玉菌と悪い影響を与える悪玉菌、どちらの働きもする日和見菌があります。

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善玉菌は悪玉菌の増殖を抑え良い腸内環境を保つ働きをしています。しかし悪玉菌が増え腸内環境のバランスが崩れると下痢や便秘を起こします。この腸内環境のバランスを整えることを整腸作用といいます。

 

善玉菌は加齢や食生活習慣により少なくなってしまいます。

善玉菌が少なくなる他の原因では細菌やウイルスの感染、抗菌薬(抗生物質)の使用、慢性の病気にかかった場合やストレス、睡眠不足などが挙げられます。

腸内環境のバランスを保ち便秘解消するためには減っていく善玉菌を増やしていくことが重要と考えられます。

食物繊維の摂取も重要です。

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整腸に密接にかかわっている腸内フローラの存在

腸内フローラは大きく3種類に分かれます。

善玉菌、日和見菌(ひよりみ)、悪玉菌で割合は2:7:1が理想とされています。

腸内フローラの種類は、

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善玉菌の種類

  • ビフィズス菌、人の腸内(大腸)に生息する
  • 乳酸菌、乳製品、発酵食品、人の腸内(小腸)に生息する
  • フェカリス菌、乳酸球菌、加熱に強く小腸大腸に生息する
  • アシドフィルス菌、乳酸桿菌、熱酸に強く小腸大腸に生息する

 

 

日和見菌の種類

  • 無毒バクテロイデス、大腸に生息する
  • 無毒大腸菌、小腸大腸に生息する

悪玉菌の種類

  • ウエルシュ菌、大腸に生息する
  • 毒性バクテロイデス、大腸に生息する
  • 毒性大腸菌、小腸大腸に生息する


腸内フローラの働きについて

善玉菌の働き

  • 病原菌の感染から守る働き
  • 腸内の腐敗を抑制する
  • 悪玉菌の繁殖を抑制する
  • 腸の運動を活発にさせる
  • 発がん物質の発生を抑制する
  • 免疫力をアップさせる

日和見菌の働き(腸内環境によって善玉菌の働きも悪玉菌の働きもする)

  • 病原菌感染の予防
  • ビタミンの生産
  • 有害物質を産生する
  • 発がん物質を産生する

悪玉菌の働き

  • 有害物質を産生する
  • 発がん物質を産生する
  • 便を臭くする


年齢と腸内フローラの変化

幼少期は善玉菌が悪玉菌よりも多いですが、高齢になるにつれ悪玉菌が増えて善玉菌が少なくなります。

善玉菌>悪玉菌    善玉菌<悪玉菌

幼年期―――――――――→高齢期


腸内フローラへ影響を及ぼす原因

❶ 食事

 

肉魚の多いたんぱく質や脂肪の多い食事を摂取すると悪玉菌が増えます。納豆や乳酸菌を含む食品をとると腸内フローラが整うと言われています。

 

❷ 老化

加齢により腸が老化し免疫力が低下します。結果善玉菌(特にビフィズス菌)が減少し悪玉菌が増えます。また消化力や殺菌力の低下で腸内フローラは悪くなります。

❸ ストレス

血行不良と消化力低下で腸の運動が低下して悪玉菌が増え腸内フローラは悪くなります。

❹ お酒

過剰摂取で悪玉菌が増え、また消化力も低下して腸内フローラは悪くなります。

❺ 風邪などのウイルス・細菌感染

胃腸機能低下と病原体により腸内フローラは悪くなります。

❻ 抗菌薬(抗生物質)

殺菌作用により腸内フローラの細菌数自体が少なくなり腸内環境は悪くなります。

❼ 運動不足

腸の運動が低下して腸内に便がたまり悪玉菌が増え腸内フローラは悪くなります。

❽ 睡眠不足

腸の運動が低下して悪玉菌が増え腸内フローラは悪くなります。

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まとめ、便秘解消法

辛い悩み解消に次の方法をお勧めします。

 

❶ 朝一杯の水を飲みましょう

朝一番の冷たい水や牛乳は腸に刺激を与えぜん動運動を活発にして便意を催す効果があります。

 

❷ 朝食後の習慣をつくりましょう

朝一番の新しい食べ物が胃に入ることにより便意が引き起こされます。

 

❸ 朝に決まった時間にトイレに行く習慣をもちましょう

規則正しい生活習慣が規則性の便意を催します。

 

❹ 規則正しい運動をしましょう

運動や腹筋により大腸の活動が活発になります。お腹のマッサージも効果的です。

 

❺ ビタミンB1や多く含まれる食材をとりましょう

腸の活動がよくなるものとしてビタミンB1があります。またそれらを多く含んだ食材としては、豚肉、ハム、レバー、ピーナッツ、ゴマ、大豆、ウナギが有名です。

 

❻ 食物繊維をとりましょう

食物繊維には2種類あります。水溶性食物繊維不溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維には便を軟らかくする働きがあります。一方、不溶性食物繊維は腸の運動を活発化して内容物をスムーズに運んでくれます。

水溶性食物繊維が多く含まれている食材は、くだもの、海藻、こんにゃく類です。また不溶性食物繊維を含むものは、豆類、キノコ、野菜、根菜類です。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

ただ注意してほしい点もあります。

不溶性食物繊維の取りすぎには気を付けましょう。不溶性食物繊維は便を固くさせる作用もあるからです。

この2種類の食物繊維を上手に摂取することで効果的な便秘解消になります。なんでも多く取ればよいというものではないですね。

 

❼ 腸を刺激する食材を活用しましょう

炭酸飲料、くだもの、お酒は腸を刺激して排便を促進させる働きがあります。

 

❽ 乳酸菌やビフィズス菌をとりましょう

乳酸菌やビフィズス菌は善玉菌で、発がん性物質などを生産する悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。

また乳酸菌やビフィズス菌は腸の運動を活発にしてくれます。腸の運動がよくなれば内容物をスムーズに運んでくれるため便が固くなる前に排便してくれます。

乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれている食品は納豆、ヨーグルト、チーズ製品などが挙げられます。

さらにビフィズス菌を増やしてくれる食材もあります。ごぼう、たまねぎ、みそ、納豆、バナナなどです。

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以上が便秘解消法になります。明日できることから始めてみてはいかがでしょう。

快適な日々を過ごすために腸内環境を整えることは大切なことです。

あなたの腸内フローラは大丈夫ですか。

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– – – – – – 監修医師 相澤宏樹

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