口臭ってそもそも何なのでしょうか?

口臭の定義

口臭とは呼吸や話しているときに出る息などを、第三者が不快に感じるにおいのことです。口臭を英語にするとバッドブレスといいます。

口のにおいが全くの無臭という人は存在しません。口腔内には何億という細菌が存在しており、その中を毎日色んな食べ物が入ってきています。細菌がタンパク質や脂肪などを分解・発酵することでにおい物質が発生しているのです。

健康な状態ではにおい物質が少なく、唾液のおかげで細菌の増殖が抑えられているため、口臭はほとんどありません。ただ、普段は口臭がない人でも、口腔内(こうくうない:口の中)が乾燥したときには細菌が増殖し、程度の差はあるものの口臭がします。

口臭は自分自身ではなかなか気づきにくいものです。

東京医科歯科大学の調査で、男子中学生・高校生783名を対象に「他人の口臭にきづいた場合、それを注意しますか?」という質問を行ったところ、

・家族の場合 約30%

・友人の場合 約6%

という結果が出ました。

口臭については周りの人も気まずくてなかなか注意しにくいようですね。あなたが知らないうちに口臭が原因で不快に思われている可能性があるということです。

これから口臭についての知識、原因や改善策をわかりやすく説明していきますので、口臭のないさわやかな息を手に入れ、良好な人間関係を築いていきましょう。

口臭による悪影響

グリコ健康科学研究所の調査によると、

【口臭が原因でつきあいをやめたり避けたりするようになった相手の有無】で「いる」と答えた人は全体の13.1%という結果でした。つまり、8人に1人は口臭が原因で人間関係にひびが入ったことがあるということです。

また、【口臭が原因でつきあいをやめたり避けたりするようになった相手】の上位3位までの相手を紹介します。

1位 同僚・同級生 35.2%

2位 友人 19%

3位 上司 18.1%

また、結婚式場などを運営している企業アニヴェルセルが、彼(彼女)がいる873人を対象に行った、【現在の彼(彼女)との出会いは何がきっかけでしたか?】という調査の結果、意外な傾向となりました。

1位 職場の同僚・先輩・後輩 24.1%

2位 友人・知人の紹介 19.6%

3位 学校の同級生・先輩・後輩 16.1%

2つの調査の相手がほとんど共通しているという結果を踏まえると、口臭が原因で恋愛や仕事のチャンスを失っていることになります。

まずはセルフチェック

それでは簡単に自分の息のにおいが確認できる方法を説明しましょう。汚いと思うかもしれませんが、手の甲を軽くなめてみてください。乾いたらにおいをかぐ、それだけです。唾液がくさいと口臭がある可能性があります。

また、市販の口臭チェッカーは息を吹きかけるだけで6段階の数値で口臭が簡単にチェックできます。口臭が気になる方は購入しておくことをおすすめします(ただし精度にはばらつきがあるので要注意です)。

口臭の種類

生理的口臭

口のニオイが全くの無臭という人は存在しません。ふだんは唾液のおかげで細菌の増殖が抑えられています。
生理的口臭が発生する原因とは何でしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。

朝起きたとき

日中は唾液によって口腔内の汚れが抑えられていますが、睡眠中は唾液の分泌量が低下するため、細菌が増殖し、起床時には口腔内がねばねばし、口臭が強くなるのです。

お腹がすいたとき

厳密にいうとお腹がすいたから口臭がするというわけではなく、食事をすると口臭が抑えられるのです。

①食事をすると細菌も一緒に飲み込んでしまうため、細菌の数が減少する。

②咀嚼(そしゃく)により唾液の分泌量が上がるため、口腔内が潤される。

③口腔内のpHの値が下がり酸性になる(酸性の時は口臭が発生しにくい)

お腹がすいているときは、食事と食事の間のため、口腔内が乾燥し口臭が強くなっているのです。

ストレスがかかって緊張したとき

ストレスや緊張が原因で、交感神経が刺激されると唾液の分泌量が抑制されます。そのため、口腔内が乾燥し、口臭が強くなります。

また、加齢によっても生理的口臭が強くなります。ちなみに女性の生理など、ホルモンバランスの乱れにより感じる口臭もあります。

病的口臭

歯や口の病気、鼻やのどの病気、消化器系の病気、呼吸器系の病気、糖尿病やそれ以外の全身疾患で発生する口臭です。ただ、90パーセント以上は口腔内の病気に原因があると言われています。

その中でも口臭が一番発生しやすい原因は歯周病です。歯周病になると歯ぐきの組織が破壊され、口臭を発生させる原因となります。重症の虫歯、口腔がん、薬の副作用、入れ歯の清掃不足などによって口臭を発生させることがあります。

飲食物や嗜好品による口臭

においがキツイ飲食物をとると、もちろん口臭が強くなります。口臭が発生する代表的なものをご紹介します。

・ニンニク・ニラ・タマネギ

・お酒

・たばこ

栄養ドリンク剤にニンニクエキスが配合されているものがあります。数回飲んだ程度では問題ないですが、常時飲み続けていると口臭が強くなる場合があります。

ただ、こうった飲食物・嗜好品による口臭は一時的なもので、時間の経過とともになくなります。

口臭の原因は?

菌(バクテリア)

口腔内には約300~700種類の菌が生息しており、主に歯垢(プラーク)の中に多く存在します。菌は口のなかの食べかすを栄養源としています。そして、増殖した口腔内の菌が新陳代謝によってはがれた口腔内の粘膜細胞や血液、菌の死骸などのタンパク質を分解・発酵することにより口臭が発生します。

口の中が不衛生

歯磨きが不十分で口の中が不衛生になると、菌が食べかすを栄養源として増殖します。口臭が発生するのはもちろんですが、口腔内で不衛生な状態が続くと虫歯や歯周病になり、更なる口臭発生へとつながります。

口の中の乾燥

起床時や空腹時、ストレスがかかって緊張しているときなどは口のなかが乾燥しやすくなっています。口腔内の乾燥により、ジメチルスルフィド・メチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物(VSC)が気化しやすくなるため、口臭が強くなります。

虫歯と歯周病

小さな虫歯があっても口臭がすることはありません。ただ、虫歯がひどくなったり、数が増えたりすると口臭が強くなる可能性が出てきます。また、銀歯などのかぶせものの下で虫歯が進行している場合でも口臭が発生します。歯周病に関しても、軽度の歯肉炎では口臭はほとんど発生しませんが、重症の歯周病では口臭が強くなります。

胃の病気

胃が弱っていると口臭がするのではないかとよく言われますが、実際はほとんどそのようなことはありません。その理由として、食道と胃の間には噴門(ふんもん)があり、飲食物が通るとき以外は食道括約筋という筋肉で閉じられているからです。

例外として、逆流性食道炎・胃炎・胃潰瘍・胃がんによって口臭が発生することがあります。また、ピロリ菌が口臭に関係しているという報告もあります。

腸内環境の乱れ

腸内環境が乱れると悪玉菌が増殖し尿素を分解するため、アンモニアなどの腸内ガスが多量に発生します。このガスが体内に吸収され、肺を通じて呼気として口から出されることにより口臭が発生します。

その他の病気

ほかにも口臭が発生する可能性のある病気をご紹介します。

鼻・喉の病気:蓄膿症(副鼻腔炎)・慢性鼻炎・慢性扁桃炎・咽喉頭がん

気管支や肺の病気:気管支炎・肺膿瘍・肺がん・肺のカンジタ症

肝臓の病気:肝硬変・慢性肝炎

腎臓の病気:腎不全・尿毒症・トリメチルアミン尿症・腎透析を行っている場合

糖尿病

口臭の臭いの種類とそれぞれの原因
(ドブのような臭いなど)

ドブのような臭い

揮発性硫黄化合物(VSC)の一種、ジメチルスルフィドというにおい物質による口臭です。

生ゴミのような匂い、キャベツの腐ったような匂いとも表現されます。ジメチルスルフィドは口腔内の細菌がタンパク質を分解することにより発生します。

玉ねぎのような臭い

揮発性硫黄化合物(VSC)の一種、メチルメルカプタン(メタンチオール )というにおい物質による口臭です。

強烈な悪臭で、動物の糞のニオイにも含まれているほどです。メチルメルカプタンは口腔内の細菌がタンパク質を分解することにより発生します。

生臭い臭い

有機化合物の一種でトリメチルアミンというにおい物質による口臭です。

特定悪臭物質として、悪臭防止法の規制対象にもなっているほどです。魚臭と呼ばれ、腐敗した魚のにおいが特徴です。また、生ごみ・下水道・便のにおいがすると言われることもあります。

肝機能低下・肝機能障害によりトリメチルアミン尿症(魚臭症、魚臭症候群)になると、食物を消化した際に発生するトリメチルアミンが分解されず、体外に排出されます。また、呼気としても出ていくため、口臭の原因となります。なお、先天的にトリメチルアミン尿症を発症するケースもあります。

甘酸っぱい果物が腐ったような臭い

ケトン体の一種、アセトンというにおい物質による口臭です。

糖尿病が進んでインスリンが不足してくると、ブドウ糖をうまく代謝できなくなり、代わりに脂肪を分解するようになります。その際にアセトンが生成され、呼気や皮膚から体外へ排出されます。

アンモニア臭

強い刺激臭によってよく知られる、アンモニアによる口臭です。

腎機能低下・尿毒症により、腎臓で尿素がうまくろ過されないようになるため、血中のアンモニアが増加し口臭につながるのです。

口臭を発生させてしまう習慣

歯磨き不足

食べかすの中で細菌が増殖し、約8時間立つと歯垢(プラーク)になります。歯磨きが不足すると歯垢を除去することができず、口腔内が不衛生な状態に保たれます。その結果、虫歯や歯周病、口臭発生へとつながるのです。

また、歯垢が歯に付着した状態が続くと石灰化し歯石になります。歯石は歯磨きでは容易に除去できません。自分で歯石をとる器具も販売されていますが、扱いのミスで歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。もし利用する場合は注意して取りかかる、もしくは歯科医院で処置してもらいましょう。

なお、歯石をそのままにしておくと歯周病になりますので、早めに歯科医院で除去してもらうことをおすすめします。

喫煙

喫煙するとニコチンやタールのニオイで、特に非喫煙者にとって不快な口臭がするのはもちろんですが、副次的な問題があります。

タールは非常に粘着力が強いため歯に付着します。簡単に除去することができず、更に食べかすや細菌も吸着してしまうため口臭が悪化する原因となります。

また、タバコに含まれるニコチンは交感神経を活発にするため、呼吸が浅く早くなり、口の中が乾燥します。その結果、細菌が増殖しやすい状態を作り、口臭をさらに悪化してしまうのです。

喫煙は口臭だけでなく様々な病気に関係する習慣になりますので、この機会に禁煙することをおすすめします。

朝食を食べない

睡眠時は唾液の分泌量が減少するため、朝起きたときが口の中が一番乾燥しています。細菌が増殖しており、唾液が気化しやすくなっているため口臭が強くなっている状況です。

そのため、朝食を食べると、口腔内に増殖した細菌を飲み込むことで減少させ、咀嚼の刺激によって唾液の分泌量がを増やし乾燥を防ぐのです。

その逆で、朝食を食べないということは口臭を悪化させる習慣になりますので注意しましょう。

あまり噛まない

咀嚼の刺激によって唾液の分泌量が増えます。食べ物をあまり噛まないということは口腔内の乾燥につながり、口臭を発生させてしまう習慣となります。現代人は戦前と比べ、咀嚼回数が半分もないというデータがありますので、食事の時は意識して咀嚼するようにしましょう。

ストレス

ストレスによる交感神経への刺激が、唾液の分泌量を減らします。その結果、細菌が増殖し口臭が発生する原因となります。

生きていくうえで、ある程度のストレスは発生します。ただ、ストレスがたまりやすくなっている人は、趣味や気分転換をする方法を見つけましょう。

ちなみに、イギリス・セサックス大学が行った研究によると、6分間の読書でストレスが68%も軽減されたという結果が出ています。新しい知識もつくのでおすすめのストレス解消法です。

ロイテリ菌を摂って口臭を改善しましょう

口腔内フローラとロイテリ菌

口腔内フローラの理想的なバランスを保つためには、善玉菌の数が悪玉菌の数の約10倍必要と言われています。ロイテリ菌を摂取することで、口腔内フローラの悪玉菌を抑制し、良好な細菌バランスを保つことができるようになります。

正式にはラクトバチルス・ロイテリ菌といい、善玉菌のひとつで、もともと人間の胃腸の中に生息している腸内細菌です。

ちなみにフローラとは細菌叢(そう:くさむら)のことです。以前は細菌類が植物の仲間とされていたため、フローラ(お花畑)という言葉を今でも使っているのです。

ロイテリ菌の効果

ロイテリ菌はピロリ菌、虫歯菌、歯周病菌の増殖を抑制してくれるため、口臭対策に効果的です。また、プロバイオティクス(善玉菌)のイメージ通り、下痢、便秘といった胃腸の疾患にも効果があります。

また、ロイテリ菌を継続して摂取した場合、歯肉炎に対する治療の効果も認められています。2006年の調査では重度・中度の歯肉炎をもつ患者の割合が、14日後には30%減少、28日後では58%減少したという報告がなされています。

ロイテリ菌の口腔内でのはたらき

ロイテリ菌はロイテリンという強力な抗生物質を生み出します。ロイテリンは有害な細菌の成長を阻害する効果があります。そのため、口腔内に存在する悪玉菌の数を減らし、口臭を抑えてくれる働きをしてくれます。

ロイテリ菌の効果的な摂取方法

起床時は一日で最も口腔内が乾燥するときです。悪玉菌は口腔内が乾燥すると増殖するため、夜歯を磨いた後にロイテリ菌を摂取しておくことで、口腔内フローラの細菌バランスを良好な状態を保つことができます。その結果、起床時の生理的口臭を抑えることができるのです。

ロイテリ菌は摂取してすぐ体質が改善されるというわけではなく、2~3週間かけて効果があらわれます。また、摂取をやめると元の体質に戻ってしまいますので、継続して摂取することをおすすめします。

口臭を予防するには

半年に一度の定期検診

特に歯の痛みもなく、口腔内に異常がない場合でも、歯科医院で定期検診を受けることをおすすめします。半年に1度受診することで、痛みのない虫歯も発見でき、容易に治療することが可能となります。

また、歯磨きで落とせる歯垢の量は全体の9割で、残り1割の歯垢は落としきれないと言われています。そういった歯垢(プラーク)や歯石を除去してもらうことで虫歯予防・歯周病予防につながります。

ブラッシング指導や歯科相談を受けて、口腔内を清潔に保つための習慣を身につけ、口臭予防に役立てましょう。

毎日欠かさず歯磨きをする

どんなに歯磨きが上手な人でも完全な歯垢の除去は不可能とされています。除去できなかったプラークは約2日で石灰化し、歯石になります。歯石自体には病原性はないとされていますが、表面がでこぼこしており、新たなプラークが付着しやすくなっています。歯石予防のためにはポリリン酸ナトリウム・ピロリン酸ナトリウムが配合されている歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることで唾液の分泌が増加し、口腔内の乾燥を防ぎ口臭を抑えることができます。

また、消化も促進されるので、長期的に見れば病的な口臭対策にも効果的です。

噛む回数に関して下記のデータがあります。

・戦前 食事時間22分 噛む回数1420回

・現代 食事時間11分 噛む回数620回

(よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法 斎藤滋著 NHK 出版)

戦前と比べ食の欧米化が進んだことにより、食べ物が柔らかくなっていますので、意識して噛む回数を増やすか、歯ごたえのある食品を取り込むことが重要です。

水分をしっかり補給する

口臭の原因のほとんどが口腔内の乾燥によって、細菌の増殖・唾液の気化が引き起こされるためです。しっかり水分を補給することで、口腔内の乾燥を防ぎ、口臭を軽減することができます。起床時や空腹時、緊張したときなど口腔内が乾燥するときに合わせて水分補給をすることが、口臭を抑えるのに効果的です。

舌を掃除する

舌苔(ぜったい)とは、細菌や食べかす、はがれ落ちた粘膜細胞からつくられた口腔内の垢(あか)のかたまりといえます。舌苔は歯垢と同様に舌に強く付着していますので、簡単には除去できません。さらに細菌によって舌苔が分解され、揮発性硫黄化合物(VSC)が発生することで口臭の原因となります。

舌磨きの清掃用具が市販されていますので利用することをおすすめします。1日1回起床時に舌磨きを行うと効果的です。

ただ、舌を磨きすぎることで味蕾(みらい、味を感じ取る器官)を傷つける恐れがあります。歯科医によってはあまり磨かないことを推奨する意見もありますので注意しましょう。

口臭心因性とは

心因性口臭とは口臭があるという思い込み

実際は口臭がないのに、本人は口臭があると思い込んでいる状態を心因性口臭(自臭症)といいます。自責の念が強い人やストレスがたまっている人に発症しやすいと言われています。

なぜ口臭があると思い込んでしまうのか

普段は口臭がない人でも、生理的口臭・飲食物や嗜好品による口臭があります。そのため、時間帯・状況・体調によって口臭が発生します。そのような口臭が強くなっているときに、家族や友人から「息がくさい」などと指摘されていまい、自分には口臭があるのだと思い込んでしまうことがあります。

心因性口臭の治療法

理屈で考えると心因性口臭の治療は簡単です。病院で口臭検査を行い、口臭がないという事実が分かれば心因性口臭はなくなるはずです。ただ、精神的な問題が関係していますので、

・口臭があるのが恥ずかしくて、病院に行きたくない。

・検査の結果、口臭がないと判明した後も、口臭があるという思い込みが解消されない。

ということがあり、実際にはなかなか解消されません。

悪化してしまうと、口臭により他人と関わり合いを持ちたくないと思うようになり、対人恐怖・社会不安に発展してしまい、普通の社会的生活が送れなくなってしまったというケースもあります。

そうならないためにも、心因性口臭という症状があるという事実を知り、まずは口臭検査を行うことをオススメします。その結果、口臭があるかどうか確認もできますし、実際は心因性口臭だった場合は症状を緩和できるでしょう。

それでも不安がなくならないようであれば、繰り返し口臭検査を行い、自分には口臭がないという認識を強めましょう。また、「生理的口臭はだれにでもあり、時間帯・状況によって強弱が変動するもの」という事実を心にとどめておき、これは本当の口臭ではなく心因性の口臭なのだと自覚していくことが大切です。

今すぐ口臭を消したい場合の対処法

マウスウォッシュ

歯磨きは文字通り、歯を磨いて汚れをきれいにする行為です。そのため、歯磨きでは口腔内の表面積の25%しかケアできていないと言われています。

舌・歯ぐき・のどの粘膜などを合わせた、残りの75%の汚れをきれいにするためにおすすめなのがマウスウォッシュです。1日2-3回、約30秒間口の中をすすぐだけなので、時間も手間もほとんどかかりません。

また、携帯用のマウスウォッシュも市販されていますので、常備しておくといざというときに便利です。

余談ですが、古代ギリシャの医者で医学の父と呼ばれるヒポクラテスは、若い女性の口臭をマスキングするためにワインなどを原料としたマウスウォッシュをしていました。口臭は現代人だけではなく、紀元前の時代からの悩みだったようですね。

口臭サプリメント

口臭サプリメントは、シャンピニオンエキス配合のものが大変人気です。シャンピニオンとはフランス語でキノコ全般を指す言葉です。日本ではマッシュルームとして親しまれています。

1か月分が約2000円ほどで販売されているので、一度試してみてはいかがでしょうか。

ガムを噛む

ストレスを感じた時に副交感神経が緊張すると、唾液の分泌量が抑制されます。つまり、唾液の量をコントロールできれば、口臭を制することができるのです。手軽に唾液の量を増やすことができるのがガムを噛むことなのです。

口の中に食べものがあることで唾液の量が増加し、舌やあごを動かすことで更に効果があります。また、食後にガムを噛むと、舌や歯の隙間に残った食べかすを吸着してくれるので、口腔内を清潔に保つことができます。

噛むだけという手軽さと、携帯性に優れているという点でかなりおすすめの口臭対策です。

緑茶を飲む

緑茶にはカテキンが含まれています。カテキンは非常に強い消臭作用があり、口臭消臭剤より効果的との報告もあります。また、緑茶にはクロロフィル(葉緑素)も含まれています。クロロフィルには唾液の分泌を促す効果がありますので、口腔内の乾燥を防ぎ、口臭を抑える効果も期待できます。

唾液の出るツボを押す

上廉泉(じょうれんせん)というツボを押すことで、唾液の分泌を促進することができます。場所はあごの下の骨にあるくぼみの部分です。またこのツボを押すことで、首のたるみ・しわや二重あごを解消する効果もあります。

他人の口臭が気になるときの対処法

口臭はスメルハラスメント

パワハラ、セクハラに続き最近はスメハラ(スメルハラスメント)という言葉をよく耳にします。スメハラの代表格が口臭です。いつ被害者もしくは加害者になってもおかしくないハラスメントになりますので、対策をしっかり覚えておきましょう。

さりげなく水を渡す

口腔内が乾燥すると細菌が増殖するとともに、唾液が気化しやすくなるため口臭がひどくなります。さりげなく水を手渡すことで、相手の口の中を潤わせ口臭を軽減できます。スポーツ飲料も効果的です。

ただ、水の渡し方によっては相手を傷つけてしまったり、トラブルに発展したりする恐れがありますので、もしこの方法を行う場合は、うまくコミュニケーションをとるよう心がけてください。

また、コーヒーなどのカフェイン、糖分が多めのジュース、アルコールなどの飲料は口の乾きを促進するので注意しましょう。

マスクをする

マスクをすることで物理的に、におい成分をシャットアウトする方法です。相手に負担をかけず、自分一人で完結して行うことのできる手段なので、一番スマートな行為かもしれません。ただ、マスクをつけることができない仕事や状況があるのと、マスクを着けていたとしても防ぎきれない口臭もあるのが欠点です。

口臭予防グッズを渡す

口臭予防グッズを渡すという行為は、通常の口臭に対してはかなり高度なテクニックです。ただ、飲食物や嗜好品による口臭の場合には利用しやすい方法です。

余計なスメルハラスメントを防ぐために、ブレスケアなど携帯しやすい口臭予防グッズを常備しておくことをおすすめします。

相手を気遣う風に言ってみる

本当に口臭がある場合でも、直接くさいなどと言われたら、相手にかなり精神的な負担を与えますので、言葉を選んで伝えるようにしましょう。

例えば、朝食を食べていない相手だった場合には、「この前テレビで見たけど、朝食を食べないと唾液があまり出ず、口の中が乾燥して風邪をひきやすいらしいよ」と言って水を手渡す、など遠回りに伝えたほうが、今後の関係性を考えると問題になりにくいです。

もし逆に口臭を注意されてしまったら

もし口臭を注意されてしまった場合、今まで学んだ口臭対策を行ってその場をしのぎましょう。

また、精神的負担を軽減するために、生理的口臭があることを思い出し、あまり重く受け止めないようにしましょう。ただ、病的な口臭の可能性もあるため、セルフチェックや病院での検査を受けることをおすすめします。

– – – – – – 監修医師 相澤宏樹

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