膣内フローラと女性疾患に関係がある?
何となくオリモノが臭う、量が多い、またはデリケートゾーンの慢性的なかゆみに悩まされているという方はいませんか? もしかしたら、「膣内フローラ」が乱れているサインかもしれません。
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膣内フローラの乱れは、デリケートゾーンの不快な症状だけでなく、女性疾患に繋がる可能性もあるため早めの対処が大事になってきます。
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では、一体「膣内フローラ」って何なのでしょう?この記事では、女性疾患との関係と膣内フローラを整える方法についてもご紹介します。
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この記事の目次
不快なかゆみなどの症状と膣内フローラ
女性の多くがデリケートゾーンの不快な症状を1度は経験したことがあると言われています。その症状としては「外陰部のかゆみ」「オリモノが多い」「オリモノが臭う」などが比較的多いものです。
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かゆみやオリモノの変化がある場合にはカンジダなどの感染症が疑われます。原因としては性行為などによる感染ということもありますが、案外多いのが「膣内フローラ」が乱れていることが原因というケースです。
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こんな症状なら膣内フローラの乱れが疑われる!
かゆみ、オリモノの異常があるからといって、必ずしも膣内フローラの異常だけが原因とは限りません。自己判断で勝手な対処をしてしまい、症状を悪化させてしまうことがないように、自分の状態を確認してみましょう。
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- オリモノの色が少し緑色っぽい
- 魚の腐った様なイヤな臭いがする
- さらさらとしたオリモノで量が多い
- 外陰部、デリケートゾーンのかゆみがある
- カッテージチーズのようなボロボロとしたオリモノ
- 泡っぽいオリモノ
- 排尿痛や性交痛がある
- 症状1.2.3に当てはまる → 細菌性膣炎の可能性
- 症状4.5.7 に当てはまる → 膣カンジダの可能性
- 症状1.6.7 に当てはまる → トリコモナス膣炎の可能性
細菌性膣炎や膣カンジダは常在菌が原因で特に性交渉などがなくても発症することがあります。その背景にあると考えられるのが、「膣内フローラ」の乱れです。
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細菌性膣炎で多いのは、肛門由来の大腸菌に感染してしまうケースです。また、膣カンジダの原因になるカンジダ菌も皮膚の常在菌であり、何らかの要因で異常繁殖することがあります。これらの菌は普段も皮膚に存在しているので、健康な膣であれば感染を起こしません。しかし、何らかの原因で感染しやすい状態になっていると、常在菌が増えて悪さをし始めます。
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ただし、トリコモナス膣炎をはじめとした性感染症の時は病院や市販の膣剤などを使って治療を受けるようにしましょう。原因を確認するためにも病院を受診しておくと安心です。膣カンジダの再発の場合には市販薬でも対応することができます。
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そして、症状が出た場合には病院での治療と合わせて、膣内フローラを整える生活改善を心がけると再発を防ぐことにも繋がります。では、膣内フローラとは何なのか詳しくお話していきます。
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膣内フローラとは?
CMなどで「腸内フローラ」という言葉はよく耳にするかもしれませんが、「膣内フローラ」は馴染みのない方が殆どだと思います。実は、腸、肌や口の中に加えて、膣の中にもたくさんの菌が棲んでいて、女性にとっては非常にありがたい役目を担ってくれています。
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そもそも、「フローラ」というのは「お花畑」を意味する言葉です。腸内フローラは、腸内細菌がそれぞれコロニー(集落)を作って、まるで同じお花が咲く花畑のようになっていることから名付けられました。
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膣内フローラも同じで膣内に住んでいる腸内細菌が群をなして存在していることを指しています。実は、膣内にも腸と同じように、たくさんの菌が常在菌として棲みついているのです。特に膣内に多いのが乳酸菌(デテールライン桿菌)ですが、悪玉菌や日和見菌(善玉菌でも悪玉菌でもなく、優勢な方の味方をする菌)もバランスよく住んでいる状態が理想的です。
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膣内フローラの乱れとオリモノの異常は関係あり?
膣内フローラは膣を悪い菌の感染から守ってくれています。膣内フローラの中には、「乳酸菌」や「コリネバクテリウム属」といった細菌が一定数存在しています。これらの菌は良性の菌、いわば「善玉菌」であり、膣内の酸性度を一定に保ってくれているのです。
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膣内の酸性度(pH)は酸性寄りに偏っているのが健康な状態であり、pH3.5-4.5程度が正常です。酸性に偏っていることで、悪い細菌の繁殖を防いでくれています。膣カンジダや細菌性膣炎が起きるときの膣の状態はアルカリ性にpHが傾いていて、悪玉菌が繁殖しやすい状態です。
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悪い菌が増えてくると、オリモノが変化して色がついたり、ニオイが強くなったり、かゆみや赤みなどの炎症を引き起こします。
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なぜ、膣内フローラは乱れてしまうの?
では、なぜ膣内フローラが乱れてしまうのでしょうか。まず、原因に考えられるのが「ホルモンバランス」です。
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女性ホルモンの働きにより、膣内は常に粘液で潤されていて細菌などから守ってくれています。これを「自浄作用」といい、悪い菌を自然と洗い流すような機能を持っているのです。
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しかし、疲労やストレス、加齢などの影響でホルモンバランスが崩れてくると、膣内環境にも影響を及ぼします。自浄作用が低下すると細菌にも感染しやすくなります。
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また、食生活やデリケートゾーンの洗いすぎなども関係します。あなたの生活の中にも膣内フローラを乱してしまう原因があるかもしれません。そこで次にあげる膣内フローラを乱す原因に心当たりがないかどうかチェックしてみてください。
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こんな間違った対処をしていませんか?
膣内フローラを乱してしまう原因は案外、生活の中に隠れているかもしれません。次のような習慣や生活環境などに当てはまるものが多い人は要注意です。
- 石鹸を使って、デリケートゾーンをしっかり洗っている
- トイレのビデや市販のビデを使って、よく洗浄する
- トイレではお尻側から前に拭くことが多い
- 生理用ナプキンやおりものシートを変える頻度が少ない
- タンポンを何時間も入れっぱなしにすることがある
膣を清潔に保とうとする余り、洗いすぎてしまうと逆に膣内に必要な善玉菌も洗い流してしまって膣内フローラのバランスが崩れてしまうのです。
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また、トイレの拭き方やナプキン等の使い方などでデリケートゾーンを不衛生にしていることも良くありません。膣内は善玉菌のみならず、悪玉菌や日和見菌などが適度なバランスを保っている状態が理想的です。
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不潔な状態で悪玉菌が増えやすい状態になっていると、膣内も次第に悪玉菌優勢となり、不快な症状を起こすようになります。また、何らかの病気の治療で抗生物質を使った時にも、膣内フローラの細菌を減らしてしまいバランスを崩すことがあります。
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生活習慣の乱れも関係する?!
膣内フローラはホルモンバランスの影響だけでなく、生活習慣、食生活やストレスなどの影響も受けます。
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不規則な生活や睡眠不足、疲労の蓄積などにより、抵抗力が低下すると膣内フローラもバランスを崩してしまいがちです。疲れや風邪をひいた時に限って、かゆみやオリモノの異常が起きるという方もいるのではないでしょうか?
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また、食生活においては糖分の摂りすぎなども関係します。糖分を好むイースト菌が増えすぎると、膣カンジダにかかりやすくなります。膣カンジダにかかりやすい人は、糖分を控えた生活を心がけることも大切です。
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ストレスも自律神経やホルモンのバランスを乱して、膣内フローラに悪影響を及ぼします。慢性的なデリケートゾーンの悩みを抱えている方は、ストレスが溜まっていないかということも振り返ってみましょう。
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どうしたら膣内フローラを整えられる?
細菌性膣炎などの感染による膣の炎症が起きた時に、病院では膣内に入れて使う「膣錠」や外陰部に塗るクリームなどが処方されることが一般的です。
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細菌を殺す効果に優れており、薬により完治することも可能です。しかし、膣内フローラが乱れた状態では、いつか再発してしまうこともあります。その度に病院でお薬をもらうというのでは、根本的な対処としては不十分と言えるでしょう。
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正常な膣の状態を維持するためには膣内フローラを整えることが大事です。そこで膣内フローラを整えるために、次のような生活習慣を心がけましょう。
- 石鹸でゴシゴシせずに、ぬるま湯で優しく洗う
- ビデは使いすぎない
- トイレは前から後ろへ拭く
- ナプキンやタンポンは頻繁に取り替える
- 通気性の良い下着や洋服を着用する
- 疲れやストレスをためない
- バランスの良い食事を心がける
- 十分な睡眠をとる
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乳酸菌の摂取で膣内フローラを整えられる?
日本ではまだ一般的な方法ではありませんが、欧米では膣内フローラのために乳酸菌を取り入れる方法がすでに取り入れられています。乳酸菌はヨーグルトなどからも摂取することができる身近な善玉菌です。
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十分な量を摂取するにはヨーグルトよりも、サプリメントを上手に活用すると良いでしょう。最近では日本でも膣内フローラを整えることを目的とした乳酸菌サプリなども登場しています。さらに特定の乳酸菌が膣内フローラによい影響を与えるという報告もあります。
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サプリメントですぐに効果が出るものではありませんが、続けることで膣内フローラのバランスを改善する効果が期待できます。ただし、改善が見込めない場合には、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
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膣内フローラを育てて膣トラブルに対処しよう!
膣内フローラという存在を知らなかった方も、良く知らなかった方も、少し理解が深まったのではないでしょうか?
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膣の健康を維持するには、膣内フローラに注目することが大事です。健康な状態の膣では感染しないような細菌に感染しやすくなっているようであれば、膣内フローラの乱れを疑ってみましょう。
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その原因は普段の生活の何気ない習慣やホルモンバランスなどが関わっていることもあります。原因に対処したり乳酸菌を取り入れたりすることで、膣内フローラのバランスを整えて健康な状態を育んでいきましょう。
– – – – – – 監修医師 相澤宏樹