腸内フローラを整えることはアルツハイマー病の予防にも役立つという話を聞いたことがありますか?

結論から言うと、これは正しい可能性があります。
2018年2月(ビフィズス菌A1のことであれば1月31日でしょうか?:相澤)に森永乳業が発表し、いま大注目を集めているテーマです。
65歳以上の5人に1人がアルツハイマー病にかかると言われています。
しかし、このページを読んだあなたは腸内フローラに気を遣うことによって、アルツハイマー病から逃れられるかもしれません。(最後の方のまとめを読むと、ここの部分との整合性がとれていない、言いすぎの感が否めません。削除でしょうか?:相澤)
数年後のあなたの健康を作る腸内フローラについて、少しだけ勉強しましょう。

腸内フローラとは?

まずは腸内フローラについておさらいしておきましょう。

腸内フローラは、よくヨーグルトのCMで聞く単語ですね。
「腸内」は、私たちの小腸や大腸の中を指し、「フローラ」は、英語でお花畑(flora)
という意味なのです。
つまり腸内フローラとは、「小腸や大腸の環境」ということなのです。
小腸や大腸は「第2の脳」と言われるほど体の変化に敏感で、いろんな症状で私たちに危険を教えてくれます。
ストレスが溜まるとお腹がキリキリしたり、体が冷えるとお腹がズキズキしたりした経験はありませんか?
これらは全て、体の変化を腸が感じ取り、腸内フローラが変化したことで起こった症状です。
腸内フローラを見れば病気がわかってしまうこともあるほど、腸内環境は変化しています。

善玉菌と悪玉菌と日和見(ひよりみ)菌

腸内フローラは「小腸や大腸の環境」という意味でしたが、それはどんな環境なのでしょうか?
実は小腸や大腸には、1000兆を超える細菌が住んでいます。
彼らは私たちが食べた栄養をもらい、代わりに小腸や大腸をパトロールしてくれるという共存関係があります。
この細菌たちにもたくさんの種類があって、善玉菌や悪玉菌という単語も腸内細菌のことです。
ヨーグルトのCMではあまり聞きなれないですが、実は善玉菌でも悪玉菌でもない「日和見菌」という中間の細菌もいます。
まずは細菌たちのはたらきを確認しましょう。

善玉菌のはたらき

善玉菌は、あの有名なビフィズス菌や乳酸菌のことです。
腸内でビタミンを作ったり、免疫を強くしたりすることで病気から守ってくれるはたらきがあります。
善玉菌は赤ちゃんをピークに、歳を重ねるごとに減ってきます。
年をとると、少ない善玉菌を活性化するために栄養バランスの良い食事をすることが大切です。
若い頃の食生活が将来の身体を壊すというのは、腸内の善玉菌が関係しているのです。

悪玉菌のはたらき

悪玉菌は腸内腐敗やガス発生など、あまりうれしくないはたらきを持つ細菌のことです。
悪玉菌が多くなると腸内のバランスが崩れ、体に異変が起こります。
しかし悪玉菌は完全に悪役というわけではなく、悪玉菌がいるからこそ腸内のバランスが取れて善玉菌の活動も活きています。

日和見菌のはたらき

日和見菌は善玉菌でも悪玉菌でもない、中間の存在です。
腸内のバランスが取れているときは特に何もしません。日和見菌がいることで全体的に悪玉菌の割合が高くなりすぎないようにしてくれます。
しかし腸内のバランスが崩れて悪玉菌が増えてくると、日和見菌は悪玉菌と似たはたらきをしてバランスをさらに崩壊させてしまいます。
腸内フローラを整えるには日和見菌を攻略するのが最近の傾向でもあります。

腸内環境を整えるとは?

腸内フローラを整えるとは、善玉菌と悪玉菌のバランスを保つことです。
一般には善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%が理想のバランスだと言われています。
善玉菌の20%を保つためには、乳製品を多くとったり栄養バランスの良い食事をしたりすることが効果的です。

アミロイドベータと腸内フローラ

腸内フローラは体のさまざまなところに影響を及ぼしますが、その1つにアミロイドベータの増加があります。
アミロイドベータはアルツハイマー病の原因と考えられるタンパク質です。
論文によると、マウスの腸内を無菌にしたときアミロイドベータの量が変わったことや、アルツハイマー病患者の腸内フローラが独特なことから、アミロイドベータは腸内フローラと関係していることがわかりました。
したがって、腸内フローラの乱れはアルツハイマー病にも影響するのではないかと考えられています。

アミロイドベータが記憶を阻害する?

RIPが記憶を作る

人はなぜ物事を記憶したり、学習したりできるのでしょうか?
そこには、RIPというシステムが関与しています。
RIPとは1999年に発見され、ニューロンのシグナル機構のひとつです。
RIPでは、細胞膜にあるタンパク質が切断されていきます。その断片が様々なところでシグナルのトリガーとなります。
アミロイドベータはAPPというタンパク質を切断した時に生じる断片です。
ちなみにAPPを切断するのはγ-セクレターゼという酵素で、この酵素を阻害するとアミロイドベータの生産量は減少します。つまり、γ-セクレターゼ阻害座はアルツハイマー病治療薬としての期待が高まり、現在研究が白熱しているターゲットです。

アミロイドベータはRIPを邪魔する

アミロイドベータが生じると、他のアミロイドベータとくっついて「凝集」を起こします。
アミロイドベータはもともとRIPの開始を阻害するので、アミロイドベータがたくさんあるとRIPが完全にストップします。
その結果、記憶や学習機能が低下してアルツハイマー病が発症します。
腸内フローラの乱れによるアミロイドベータ増加なのか、アミロイドベータ増加による腸内フローラの乱れなのか未だに議論が続くところではありますが、いずれにせよ腸内フローラを整えることはアミロイドベータ対策としては有効なのではないかという研究が盛んに行われています。

アルツハイマー病の予防について

アルツハイマー病はアミロイドベータの蓄積が原因で起こる記憶障害で、アミロイドベータは腸内フローラと関係していることが分かりましたね。
では、実際にアルツハイマー病を予防するにはどのようなことが必要なのでしょうか?
みなさんは、ご自分でアルツハイマー病予防の取り組みをしていますか?

正確な原因と予防法は未解明

ここまでアミロイドベータが原因だという話をしてきましたが、実はアミロイドベータがアルツハイマー病の発症にどのような役割を果たしているのか、確実に正しいと言える説明はまだできません。
この先の研究の発展を待ちたいところです。
まだまだ謎が多いアルツハイマー病ですが、予防に効果が期待できるものはわかっています。これらのアクティビティをすればアルツハイマー病にかかる可能性を低くすることができるので、ぜひみなさんもやってみましょう。

頭を使う脳トレや囲碁

アルツハイマー対策として囲碁は有名ですね。囲碁をする人はアルツハイマー病にかかりにくいという統計データもあるようです。
脳トレはやってもすぐ飽きちゃう人が多く、囲碁はそれほど遊べる環境が整っていないです。もちろんできるならどちらもやった方が良いですが、だれでもできる方法とは言いにくいですね。

いつもの生活に刺激をあたえる

いつも同じパターンで生活をすることもアルツハイマー病を引き起こす原因になるようです。ぼーっとして何となく生活をすると脳の活性が下がるということらしいです。
いつもの生活にすこしスパイスを加えて、わくわくした感情を持つようになるとアルツハイマー病にかかりにくいという研究報告もあります。
イベントはちょっとしたことでも効果的ですが、カンタンにわくわくすると言ってもちょっと難しいですよね。腸内フローラを整えるために私たちが気を付けるべきことはまだあります。

腸内フローラを整えてアルツハイマー病予防をしよう

今もっとも注目されている方法は腸内フローラを整えてアルツハイマー病を予防することです。
最後になりましたが、誰でもできてお手軽に腸内フローラを整える方法をご紹介します。

よくあるビフィズス菌って本当に効果があるの?

ヨーグルトに含まれていてCMでも良く聞くビフィズス菌ですが、本当に効果があるのでしょうか?
ビフィズス菌は善玉菌だという紹介をしたので、善玉菌をたくさん食べれば腸内フローラが良くなるのではないかと思っている方も多いと思います。
一昔前の乳酸菌業界ではその説が流行っていました。
しかし、食べたビフィズス菌は胃に入るとほぼ全滅することが判明して、乳酸菌業界で新しい商品の開発に火が付きました。
この時に開発されたのは次の2種類です。
・カプセルで守られているので胃酸で死なないビフィズス菌
・死んでも腸内に影響を与えるビフィズス菌
詳しい内容は実際の企業研究員の方に聞くしかないのですが、胃酸による影響を考慮して、改良が重ねられているといえるでしょう。
ただ一つ忘れてはいけないのが、日和見菌です。
腸内フローラは善玉菌が増えすぎても良いことはありません。腸内細菌が増えることは、彼らが排出するアンモニアの量が増えることです。
さらに毎日ヨーグルトを食べ続けないと増えた善玉菌の数をキープできないので、非常に効率が悪いです。
毎日ヨーグルトを食べている人は、ちょっとだけ腸内の善玉菌が多いだけという可能性も否定しきれないのです。

正しい食生活が一番の薬

私たちがやるべき最も効果的な方法は、規則正しいバランスの取れた食事です。
バランスの取れた食事は腸内の善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスも保ってくれます。例えばお肉ばかり食べていると、タンパク質を分解後のアンモニアが多くなってしまいます。
バランスの取れた食事をしたからと言って、すぐに腸内フローラが整うわけではありません。毎日の食事に気を遣うことで善玉菌、悪玉菌、日和見菌の割合が安定するようになります。
こうして安定した腸内フローラを作ることが、アルツハイマー病の予防にもつながる可能性が考えられているのです。
今日の食事は数年後のあなたの健康をつくっています。
みなさんも腸内フローラのバランスに気を遣って、毎日の食事をバランスよく、規則正しく摂取するようにしましょうね。

– – – – – – 監修医師 相澤宏樹

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